婚約破棄の慰謝料請求

takeda_1070001.jpg  
 婚約とはつまり婚姻の予約のことです。
 
 法的義務がなく書面でのやり取りがなくとも両親への結婚の挨拶、口約束だけでも婚約とみなされます。しかし結婚を確約するものではありません。

婚約関係で認められる権利・義務

 婚約をした以上、結婚に向けて誠実に努力する義務があります。正当な理由もなく婚約を破棄されると、債務不履行として、婚約を破棄された人は相手方に対し、婚約不履行による損害賠償請求が可能となります。
 ただ、婚約にも段階があり、当事者だけの口約束の段階から式場予約、招待状配布、新居建築、内縁関係と段階により、結婚に対する期待度が異なり、発生する慰謝料も変化します。
 

婚約破棄の慰謝料の相場

 慰謝料は婚約期間、肉体関係の有無、相手側の社会的地位、資産、破棄の理由を総合的に判断し金額は決まります。裁判で争うと、30~500万円(大きな差がある)、しかし概ね30~200万あたりが多いです。
 

婚約破棄の慰謝料の請求方法

 まず前提として正当な理由もなく婚約を破棄された場合は慰謝料を請求することが出来ます。正当な理由として挙げられるのは、不貞行為があった、性的に無能力、暴力を受けた…などです。しかし、家族の反対、婚約前の男女関係、性格の不一致などはこれに該当しません。
 
 婚約を破棄したい、となり慰謝料を請求するとなったらまずは内容証明を書きます。内容証明は慰謝料を請求するものです。内容証明を送ったらここから示談に入ります。示談が成立した場合は示談書(公正証書)を作成しておくと良いでしょう。ここで相手が拒否し、決裂した場合は裁判になります。
 
 注意点として、相手が結婚していた場合(不倫)こちら側の婚約は無効になります。しかし相手に「離婚するから…」などと言われていた場合は慰謝料請求可能となります。
 

婚約関係の証明方法

 婚約破棄で慰謝料請求する場合、相手方から予想される反論として、「自分は内縁関係にあったと思っていない」といわれることがあります。そのために、婚約を証明する必要があります。
 
 婚約を証明するには、婚約指輪の授受や結納、式場予約などの事情があれば婚約が成立していたと認められやすいです。また、前項目で説明したように、口約束でも婚約は成立します。
 
 しかし、婚約破棄で慰謝料請求された側が「そんなこといった覚えがない」と認めないケースが多いため、証明することは困難です。ただし、結婚について会話をした時の録音・メール、日記等の内容によっては、婚約成立の証拠として提出する事ができます。
 

判例紹介

東京地方裁判所平成15年5月22日判決
東京地方裁判所平成17年9月13日判決