モラハラ夫の特徴

弁護士 竹田卓弘  
当事務所には、モラハラを受けた被害者の方が多くいらっしゃいます。被害者の方の話を聞いてみるとモラハラ加害者には、年齢も育った地域も違っていても、共通する特徴があることに気が付きます。
 
モラルハラスメントの特徴には以下のようなものがあります。
 

表の顔と裏の顔の2面性を持つ

モラルハラスメントの加害者の代表的な特徴としてよく言われるのが2面性です。世間的には「いい人」「立派な人」で通っており、友達や近所の人に相談しても「あんないい人がそこまで怒るなんて、あなたが何か気に触るようなことをしたんじゃないの?」。「夫婦なんてそんなもんよ。」と言われてしまいます。外では率先して「いい人」を演じ、周囲からはうらやましがられるほどです。裏の顔は家の中の人間にしか見せません。
 

「釣った魚には餌はやらない」が極端。結婚するまでは、優しく好人物

モラルハラスメントの加害者は、被害者が逃げることのできない状態(結婚や、妊娠など)に置くまで、理想的な人物であり続けます。まめに連絡をくれたり、プレゼントを贈ってくれたり、話を一生懸命聞いてくれたり、わがままを笑って受けとめてくれたりと、誰もが羨む恋人として振舞います。しかし、結婚してしまえば、このようなことはまったくなくなり、無視、言葉、態度で被害者を傷つけてきます。
 

いきなり無視を始める

自分の欲求が通らなければ無視、無言を長期間続けます。家中の物に当たり散らし、「俺は怒っている」というオーラを放ちます。しかしなぜ怒っているのか、どうして欲しいのかのという欲求をはっきりとは言いません。「何か私が悪いことをした?」と聞けば「言わなければ そんなこともわからないのか!」と怒鳴りつけ、さらに無視を続けます。
 

何もかも人のせいにする

家でなにかあれば、妻のせい、仕事で何かあると上司のせい、性格や目つきが悪いと言われると「そういう風に育てたおふくろが悪い」と常に自分で責任を取らずに人に責任転嫁をします。
 

「後だしじゃんけん」

何かやれば「なぜやったのだ!」と怒鳴り、やらなければ「なぜやらないのだ!」と怒る。例えば、「今夜のおかずは何がいい?」と聞くと、「そんなこと聞かなければわからないのか!」と怒るが、聞かないと「俺にこんなものを食べろというのか。なぜ聞かなかったのだ」と怒ります。
 

言葉攻めで心をつぶす

夫は「バカ」や「お前なんか死んでしまえ」といった、むやみやたらにひどい言葉を投げつけるだけではありません。夫は被害者が「絶対に人には言われたくないこと」を探り出して言ってきます。例えば、「どんな育ち方をしたんだ」や「それでも母親か」など相手の弱いと思う部分を集中的に攻撃してきます。また、ただ罵倒や叱責という形ではなく、口調だけは静かに穏やかに、そして執拗に攻めてくることもあります。何を言っても否定したり、揚げ足をとり、いかに被害者が悪いことをしたのか、だめな人間なのかを延々と言ってきます。これは被害者の心をずたずたに傷つけ、弱らせ、被害者が夫の思い通りに動くようにするためです。
 

本当はいい人で、自分が悪いから怒らせたのだと思わせる

何週間も無視をしていたと思えば、ときおり、モラハラが始まる以前のように、優しくしたり、プレゼントを買ってきてくれたり、「愛している」などと言ったり、「ひどいことを言って悪かった」と謝罪することもあります。そのたびに被害者は「本当はいい人。自分のせいで怒らせてしまったのね」と自分を責めるようにもなります。こういう平穏な時期を設けることも、夫のテクニックです。いつも責めてばかりいると被害者に逃げられてしまいますので、たまには餌を与え、逃げられないように支配をします。
 

モラハラ環境で育った

モラハラ加害者は、モラハラ環境で育っている場合があり、こうするのが普通だと思っているケースがあります。自分の父親が母親や自分にしていたことを妻や子供にしているといった状況です。あなたにもお子さんがいる場合、その子をモラハラ夫に育てないためにも早く離れる必要があります。
 
以上が代表的なモラハラ夫の特徴です。モラルハラスメントの被害者は「私が間違っている」、「私が悪い」と思って我慢している方が多いのですが、まずは自分が被害者だということに気付くことが重要です。我慢していても、それが苦痛となってしまいます。モラルハラスメントはどんどんエスカレートしていきます。モラルハラスメントの被害にあわれている方は、一人で悩まず、まずは当事務所までご相談下さい。

 

当事務所のモラルハラスメントの事例

①モラハラ夫に調停を申し立てることによって離婚できた事例

モラハラかも?と思ったら モラハラチェックリスト

1.コミュニュケーションが常に上から目線である。

2.あなたとの話題に出てくる物事の評価が「好き・嫌い」ではなく、「正しい・間違い」で判断することが多い。

3. 自分の意見を押し付けるときに、自分の好みや意見であることを隠して、「他人の意見や一般常識」などの客観的・絶対的なことを理由付けにする。

4.過去の出来事を自分の都合のいいように書き換えて話す

5.出された食事が気に入らない時、別の物を食べる

6.「こんなことも分からないのか?」と言う

7.体調は、悪くても妻なんだから家事は、すべきという態度に出す

8.物に当たる、物を投げる

9.ドアや引き戸を大きな音を立てて強く閉める

10. 同乗しているときに自動車を荒々しく運転する(急発進、急ブレーキ、蛇行運転など)

11.言い訳、反論されると「俺がそうするようにしたお前が悪い」となんでも人のせいにする

12.家の中がきちんと片付いていないと不完全なところを探し「一体毎日何をしているのか」と皮肉、嫌味を言う

13.妻の前でため息や舌打ちをする

14.「誰のお陰で生活できるんだ」と言う

15.自分の買い物には甘いくせに、妻の買い物は、厳しく目を光らせる

16.休みの度に、家族で自分の実家に帰るが、妻の実家には寄りつかない

17.生活費を入れない

18.実家に帰ることや友人と会うことを嫌がる

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